第2課 聴覚しょうがい者用:英田恭司

2017年 第1期  聖霊と霊性

第2課 聖霊(せいれい)――舞台裏(ぶたいうら)の働(はたら)き

はじめに
 聖書の中で、父なる神と子なる神は大きな注目(ちゅうもく)を集めておられます。また、信仰の対象(たいしょう)として、父なる神と子なる神には大きな存在感(そんざいかん)があります。聖霊は大きな注目(ちゅうもく)を集めておられないようでも、しっかり働いておられます。大きな存在感がないようでも、いつも父なる神と子なる神と共に働いておられます。このような聖霊の働きを、今週のガイドは舞台裏(ぶたいうら)の働きと表現(ひょうげん)しているのです。
 聖霊(せいれい)は舞台裏の働きに徹(てっ)しておられます。舞台裏の役割(やくわり)を喜んで引(ひ)き受(う)けておられます。その役割(やくわり)とは、神の子イエスの働きを進展(しんてん)させ、父なる神に栄光(えいこう)を帰(き)すことです。この重要(じゅうよう)な役割にもかかわらず、ご自身(じしん)に注目(ちゅうもく)を集(あつ)めようとはなさらないのです。
 私たちは自分を高(たか)めよう(注目を集めよう)とする生まれつきの傾向(けいこう)をもっています。聖霊に満(み)たされた人は、聖霊のように、自分を高(たか)めるのではなく、イエスを高めようとするのです。

考えましょう - バプテスマのヨハネは、聖霊に導(みちび)かれてどんな品性(ひんせい)を現(あら)わしたでしょうか? ヨハネによる福音書3章22節から30節を読んで調(しら)べましょう。

1.聖霊(せいれい)の働きを風にたとえる
聖霊の神秘的(しんぴてき)な働きを、すべてはっきりと捉(とら)えることは難(むずか)しいです。私たち人間の理解(りかい)を超(こ)えているところがあるからです。イエスは、(新生(しんせい))人を生まれ変わらせる聖霊の働きを風(かぜ)にたとえて説明(せつめい)されました。

「『あなたがたは新(あら)たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚(おどろ)いてはならない。風は思(おも)いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」(ヨハネ3:7-8)

 聖霊が風として表現(ひょうげん)されるとき(エゼキエル37:5.9)、その働きは新しい命をもたらすと考(かんが)えられました。この神にしかできない神秘的(しんぴてき)な働きを、イエスは風にたとえることによって説明(せつめい)されました。その働きは、思いのままであり、その音は聞くけれど、その作用(さよう)を推(お)し量(はか)ることは私たちにはできません。しかし、風が通った後(結果(けっか))は、はっきりとわかります。
考えましょう - 目に見えない神の神秘的(しんぴてき)な働きをうまく説明(せつめい)できますか?

2.天地創造(てんちそうぞう)の際(さい)の聖霊(せいれい)の働(はたら)き
 天と地の創造の働きは、主なる神と御子(みこ)によると、聖書(せいしょ)は述(の)べています。聖書は、この世の創造において父なる神と子なる神(キリスト)が活躍(かつやく)されたと述べています。(創世記1:1、ヨハネ1:1-3、コロサイ1:16, 17)
 聖霊は、天地創造の物語の主役(しゅやく)として登場(とうじょう)しておられません。しかし、重要な役割を担(にな)っておられたようです。創世記1:2には、「地は混沌(こんとん)であって、闇(やみ)が深淵(しんえん)の面(おもて)にあり、神の霊が水の面を動いていた。」と記録されています。この「水の面を動いていた」の「動いていた」という言葉(ことば)は、「羽(は)ばたく、宙(ちゅう)に舞(ま)う」とも訳(やく)せます。申命記32:11では、わしがその雛(ひな)の上に羽ばたいて子を育てている様子(ようす)を、神がその民になさっていることにたとえています。聖霊は世界の創造(そうぞう)で生まれる命を育(はぐく)み世話(せわ)をしておられたのです。また詩編(しへん)104:30では「あなたが霊を送られると、彼らは造られる。あなたは地のおもてを新(あら)たにされる」と、聖霊が新しい創造にかかわっておられることも述(の)べています。
 聖霊は創造の主役(しゅやく)ではないかもしれませんが、舞台裏(ぶたいうら)で大切な働きをしておられるのです。

3.聖霊と聖所
 イエス・キリストがお見えになる前に、神の救済計画を示すために聖所を作るように神はお命じになりました。神に示された聖所を作るために必要な知恵と英知と知識を聖霊はお与えになりました。聖霊は神の命じられたことを実現(じつげん)するために、ここでも舞台裏で大切な働きをしておられたのです。(出エジプト31:3)

4.聖霊とキリスト
 神の救済計画(きゅうさいけいかく)を示す聖所を作る時に聖霊は働きました。神の救済計画の本体(ほんたい)であるキリストを立てるときにも聖霊は働かれました。自分が中心になるのではなく、キリストが中心になるように働かれたのです。聖霊の働きは、イエスの贖(あがな)いの働きを高め、イエスを人々の前に照(て)らし出されたのです。
イエスが誕生(たんじょう)するために、マリヤは聖霊によって身(み)ごもりました。(ルカ1:35)
 イエスが宣教(せんきょう)を開始(かいし)なさるとき、聖霊が鳩のように下ってきました。(ルカ3:21, 22)
 聖霊は、試練(しれん)の中におられるイエスを導(みちび)き、支(ささ)えられました。聖霊は、イエスがメシアの使命を果たすため力を与えられました。聖霊は、イエスの復活を可能(かのう)になさいました。これらイエスの生涯(しょうがい)すべてにおいて、聖霊(せいれい)は舞台裏(ぶたいうら)の役(やく)に徹(てっ)し、イエスが目立(めだ)つように働かれたのです。イエスは聖霊について次のように言われました。
「その方(かた)【真理(しんり)の霊(れい)】はわたしに栄光(えいこう)を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告(つ)げるからである。」(ヨハネ16:14)