第1課 松本 裕喜

2017年 第4期 「信仰のみによる救いーローマの信徒への手紙」 

第1課   ローマの使徒パウロ
 
「人はいかに救われるのか」という問いは、救いを求める私たちにとってとても大切なものです。これについてローマの信徒への手紙(以下ローマ書)を通してパウロは、「救いはキリストの義の中にのみ見いだされる・・・その義は、信仰によって私たちのものとされ、律法を守ることとは関係なく私たちに与えられます」と教えています。この点について、当時のローマ教会もかの有名なマルチン・ルターも問題を抱えていたようです。
ガラテヤの信徒への手紙の学びでもそうでしたが、その書簡の書かれた背景や、宛てられた人々の事情などを理解すると、パウロがこのようなことを書いた理由が見えてきます。

日曜日:使徒パウロの手紙
ローマ書が書かれた場所はコリントに近いギリシアのケンクレアイ、書かれた年代は西暦58年の初め頃のようです。ガラテヤの教会で偽教師たちが教会の信者たちを惑わしたので、ローマでも同じようなことが起こらないように、ローマ書を書きました。特に、ユダヤ人と異邦人との間での民族的な対立があったようなので、パウロはそれに対して自分の立場を表明するためにローマ書を書きました。

月曜日:ローマ訪問—パウロの強い願い & 火曜日:ローマにおけるパウロ
パウロはローマを訪問することを強く願っていました。それが実現した時、パウロは囚人としてローマに到着しました。当初のパウロの計画では、まさか自分が囚人となってローマに行くとは考えていなかったでしょう。しかし、使徒28:17-31では、パウロが自分の事情を説明したところ、それを聞いたユダヤ人たちが関心を持ったようで、パウロの説明によってイエスを信じる人が出たようです。パウロはローマにおいて囚人でありながらも伝道していたのでした。

水曜日:ローマの「聖なる者」
ローマ1:7を読みましょう。この短い挨拶から大切な事柄を学ぶことができます。パウロはローマの信者たちを、①神に愛された者——(神が愛され、神を愛する者という愛情の交流があること)②召された者(神に選ばれ、指名された)③聖なる者(神によって取り分けられた者)と呼んでいます。
救いはすべての人のために与えられました。(副読本では次のように説明されています。「『あらゆる人』というのは、全人類が救われる(万人救済主義)という意味ではありません。キリストへの信仰を通して永遠に救われる神からの賜物を受け入れる人々は、誰であろうと神によって救いへと導かれるという意味です。・・・『ローマの信徒への手紙』による福音の深い真理は、信仰を通して、神の賜物を受け入れる『すべての人』はキリストによる救いを分かち合っていると論じているのです。」(副読本5頁)

木曜日:ローマの信徒たち
ローマの教会の誕生について詳しいことはわかっていませんが、五旬祭から数十年で広く知れ渡っていたようです。ローマ15:14によると、ローマの信徒たちの体験したこととしてパウロは三つ挙げています。①善意に満ちている。②あらゆる知識で満たされている。③互いに戒め合うことができる。特に②と③ですが、イエスによって変えられる人は聖書の学びを欠かさず、聖書から救いの知識を学びます。心が変えられるということは、イエスのこと、救いのことをもっと知りたいと願うようになることです。また、イエスによって変えられる人は、イエスの品性を与えていただけるので、イエスがされたように他者を励ます者となるでしょう。それは時に、互いに戒め合うこともあるでしょうが、それができるのはイエスによって変えられる人です。