第13課 聴覚しょうがい者用:浦島 智加男

2017年第4期「信仰のみによる救いーローマの信徒への手紙」

第13課      クリスチャンの生き方      浦島 智加男

初めに
パウロは、この手紙を書いていたころは、まだローマに行っていませんでしたが、ローマにある教会の内情を色々な人から伝え聞いて、ローマ教会の中にあるいくつかの問題も心にかかっていたことがあったのでしょう。
16章には、自分がこれまで出会った人々、親しくしていた人も気ローマ教会に数多く名を連ねていて、その人たちに挨拶をつたえていますが、それだけ、なおさらローマ教会が健全な福音に沿った教会に成長してほしいという祈りと、問題の解決法と個々の教会員が恥ずかしくないクリスチャンになって欲しいと願いを込めて書き送ったのでした。

1、信仰が弱い
ローマ教会には、菜食主義の問題、ある特定の日を重んじる人がいたことが分かります。パウロは、問題になっている事柄の解決の方法を教えるのではなく、その問題をめぐって、いろいろな対決するグループがあることを心配しています。「信仰の弱い人」と「強い人」との対立です。また、奴隷の身分の人もいれば、自由の身分の人もいて、そこにも対立があったようです。
 彼は、クリスチャンは、すべての人が自分と同じ意見でなければならないとは考えていません。原則として個人は、キリスト教的自由があるはずです。互いに自説を主張し、相手を批判することを止めないなら、教会は分裂してしまいます。
 この世では、身分の違いは歴然としてありますが、福音にあずかったものは皆、神の前に平等であることを、心に留め置けば、おのずとこの問題も解決するでしょう。とパウロの考えを述べています。

2、裁きの座の前
イエス様の贖いによって救われた人は、もはや自分のために生きるということをしなくなった人たちです。
キリストの生涯を見て知ってあなたがたも、それに倣う生き方を教わったのでしょう。意見の違い、身分の違いによって他の人を裁き、侮る人はやがて、神の裁きの座の前に立たされることを忘れてはいけません。その時に申し開きができるように、毎日の生活の中で、福音を実践していきましょう。
 
3、そしりの種にならないように
自分が強いと思っている人は、救いという観点から自由を制限しなければならないことが教えられます。「食べ物のことで、兄弟を滅ぼしてはなりません」(ロマ14:15)このことは、重要です。強い人の意見や行動が他の兄妹の人格まで破壊するような事があってはなりません。言いたいけれども、責めたいけれども、このことを見極めたうえで、自分の自由を制限するのが愛です。神の国は、「飲み食い」ではなく、」聖霊の与えて下さる平和であり、喜びです。

4、いろいろな日を守る          
日本人も多くの人が、「日」についてこだわります。カレンダーにも「大安、友引」などが記されていてそれに基づいて結婚式や葬式を定めています。ユダヤ教のなかにも、沢山の記念日や儀式のための日も、多く定められています。当時のローマの神話にちなんだ祭日、祝日があり、ユダヤ人クリスチャンも異邦人からのクリスチャンも、教会員になりたての人は特にこれまでの習慣から離れにくい面もあって、古くからの信徒の人からすれば、まだ、そんな「日」や「祭り」にこだわっているのかと、非難がましい言葉もあったことでしょう。
パウロは、そういう人たちの心情もくみながら、優しく、安息日以外の日は、キリスト者としてあまり意味がないことを説いています。

最後の言葉
当時のローマ帝国は、黙示録の中で「獣」に例えられるほど、クリスチャンを餌食に求める獣のように、迫害があちこちで起きていました。皇帝ディオクレスチャンなどは、円形劇場で(コロッセオ)で、文字通り飢えたライオンに複数のクリスチャンを襲わせた残酷な記録もあります。
 パウロも、ローマ国の迫害にさらされている、愛する信仰の友に、「忍耐」「不屈の精神」を持ち続けるように、励ましています。使徒ペテロ、使徒ヨハネも、後にはパウロ自身も迫害によって殉教するのですが、まだローマの現場にいない状況で、彼らの苦難を思い、信仰をもって最後まで耐え抜いた者に、神の国が用意されていることを忘れないようにと励ましました。