第5課 聴覚しょうがい者用:山路 俊晴

2018年第3期「使徒言行録ー福音の勝利」

第5課              パウロの回心              山路 俊晴 

(※ルビ付きの原稿はPDFからご覧ください)

1.はじめに
今週はキリスト教の歴史において最も影響(えいきょう)をあたえたパウロについて学びます。キリスト教に反対していたパウロが、キリスト教の最大の伝道者に変わりました。神様の働きによって、パウロの心が変えられました。人の心が変わるのは、聖霊(せいれい)の神様の働きによります。パウロの心を変えた聖霊の神様が、私たちの心を変え、キリストの福音を伝えるために働いておられます。一人一人が伝道者となって、神様からの使命(しめい)を果(は)たしていくように導(みちび)かれています。

2.日曜日(29日)「教会の迫害者(はくがいしゃ)」
 パウロはタルソスという外国の町で生まれました。しかし、熱心なユダヤ教徒として成長しました。エルサレムの有名なパリサイ人の先生、ガマリエルの弟子として訓練(くんれん)をうけました。生まれながらのまじめで熱心さを持っている青年で、初めはユダヤ教の教えと違うキリスト教は間違(まちが)った宗教として考えていました。活動的(かつどうてき)なパウロは、ユダヤ教を守るために、クリスチャンを迫害(はくがい)しました。先頭(せんとう)に立ってたくさんのクリスチャンを苦しめ、死に至(いた)らせました。当時のユダヤ教の最高(さいこう)権力者(けんりょくしゃ)であった大祭司(だいさいし)よりクリスチャンを迫害(はくがい)する許可(きょか)を取って、大胆(だいたん)にエルサレムだけにとどまらず、200キロも遠くにあるダマスコの町まで出かけていきました。聖書のローマの信徒への手紙10章2節には次のように書かれています。「わたしは彼らが熱心に神に仕えていることを証(あか)ししますが、この熱心さは、正しい認識(にんしき)に基(もと)づくものではありません。」パウロの言葉ですが、パウロ自身が同じような過(あやま)ちを犯(おか)していました。情熱(じょうねつ)や熱意(ねつい)は活動するときに大切なことですが、真理を知ることはさらに大切なことです。間違(まちが)った方向にパウロのように走ってしまうことがおこるからです。神様は憐(あわ)れみ深い方ですので、知らずに犯す間違いに対しては必(かなら)ず教えてくださいます。パウロの素晴(すば)らしかったことは、間違いに気付かされたとき、誠実(せいじつ)に回心(かいしん)をした所でした。聖霊に導きに素直(すなお)にしたがうことはすべての人にとって神様の恵みを受ける道です。

3.月曜日(30日)「ダマスコへの途上(とじょう)」
ダマスコの町に迫害に行く途上でパウロはイエス・キリストと出会いました。天からの光に包(つつ)まれ、パウロは地にたおれ、天からイエスの声が響(ひび)きました。なぜ私を迫害するのかと。パウロの心には、ステパノの死のときからひっかかるものがありました。それは、ステパノが死ぬときに感じた神聖(しんせい)なものでした。聖霊の神様がステパノを導いておられ、パウロの心に印象的(いんしょうてき)に残りました。以来(いらい)、パウロの心にすっきりしないものが残っていました。それが今、自分が迫害している方が神であられることに気付かされ、間違っていたことが明らかとなりました。神様は、たえず私たちの心を導いてくださる方です。こころはがんこで、簡単(かんたん)には自分の失敗や間違いを認めないものです。神様は忍耐(にんたい)深(ふか)く、心に語(かた)りかけてくださいます。神様の前に素直(すなお)な思いを持って、心がいつも晴(は)れやかであるように努(つと)めることは大切なことです。

4.火曜日(31日)「アナニアの訪問(ほうもん)」
3日間目が見えずにダマスコのまちでパウロは過(す)ごしました。食事も取らずにひたすら祈っていました。幻(まぼろし)の中で、助ける人が来ること、目が開かれることを知ります。その助ける人が、アナニアと呼ばれるクリスチャンでした。アナニアも幻を見ました。パウロに手を置(お)いて神様に祈り、その目を開くように命じられました。初めはアナニアはパウロの所に行くのを怖(こわ)がりましたが、神様に従ってパウロを訪問して彼の目を開きました。パウロは目が開かれただけでなく、彼の神様に従う人生の道も開かれました。それは、劇的(げきてき)な出来事(できごと)でした。神様を嫌(きら)っていた人が、神様にすべてをささげて従うようになったからです。神様がパウロを神様のために働くものとして選んだとあります。パウロだけでなく、神様は私たちにも期待(きたい)をかけておられます。どんなに自信がなくても、パウロを変えてくださった神様が私たちを導いてくださいます。

5.水曜日(1日)「パウロの働きの始まり」
パウロは回心をしてから、ダマスコの町で伝道しました。イエスは人をだます者だと主張(しゅちょう)していた人が、イエスは救い主であると伝え始めました。議論(ぎろん)をして、イエスがキリストであることをは論証(ろんしょう)しました。パウロが考え方をまったく変えるために、頭の中を整理(せいり)する時間が必要でした。パウロはダマスコの町を出て、一人で考え直す時間をアラビアの人のいないところで持ちました。今まで信じてきたこと、学んできたことをすべてイエス中心としたものに考え直しました。博学(はくがく)なパウロは、イエスこそが聖書に預言されていた救い主であることの確証(かくしょう)がもてました。聖霊の神様に助けられました。パウロは神様からすべてを教わったことを証(あか)ししています。この確証が持てたとき、パウロは神様の伝道者として積極的に働きを始めました。回りの人たちが驚(おどろ)き、信じられないのも無理(むり)はないことでした。神様のなさることは本当に素晴(すば)らしいです。

6.木曜日(2日)「エルサレムへ帰還(きかん)」
 キリスト教への回心から3年後にパウロはエルサレムに戻(もど)りました。当然、弟子たちはパウロがクリスチャンになったことが信じられません。わなにかけようとしているのだと思いました。その中で、後に一緒(いっしょ)に伝道旅行をするバルナバはパウロの回心を認め、弟子たちへの仲介役(ちゅうかいやく)をしました。パウロはエルサレムでも熱心に伝道をしました。今度は彼が迫害を受ける立場となりました。パウロが祈っているとき、イエスは彼にエルサレムから離(はな)れるように言いました。パウロはイエスに従い、エルサレムを離れ、故郷(ふるさと)のタルソスに戻(もど)りました。人間の考えを超(こ)えた神様のご計画がパウロの人生を守り導きました。

6.まとめ
 今週はパウロの信仰が神様によって変えられ、キリストを迫害する人から、キリストのために人生をささげる人となったことを学びました。金曜日のところで、ホワイト夫人はパウロは殺されても当然であったのに、神様は彼を生かして神様のために働くものとされたことが書かれています。私たちも同じだと思います。罪によって滅(ほろ)んでしまっても仕方(しかた)のない人間に、神様は命を与えてくださいました。永遠のいのちをわたしたちに与えてくださったのです。どんな人に対しても、神様は計画を持っておられます。聖書で神様は次のようにおっしゃっておられます。「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心にとめている、と主は言われる。」(エレミヤ29:11)パウロが光に包(つつ)まれたとき、「主よ、どうしたらよいでしょうか」と祈りました。そのときから、神様のご計画が始まりました。心を尽(つ)くしてパウロは生涯(しょうがい)イエス様に仕(つか)えました。パウロのように神様のご計画が私たちの人生にはあります。わたしたちも、祈りつつ神の御声と導きにしたがって歩んでいきましょう。